第2日
9月6日(金)
災害弱者対策一阪神・淡路大震災が示したこと
文教大学情報学部 助教授田中淳
1. 社会システムの変化と災害弱者対策
最近、災害弱者対策の必要性が指摘されている。その背景には社会システムの変化がある。高齢化や国際化は、一方で潜在的災害弱者を生みだし、その一方で都市化とあいまって地域防災力の低下を招いている。その結果、地域社会から孤立し、災害への対応行動に制約を持つ層が増大している。 しかし、災害弱者対策をどのように具体化するかは必ずしも明らかではなかった。阪神・淡路大震災では、災害というものがいかに高齢者や障害者など弱者に大きな被害を与え、過酷な被災生活を強いるかを明示した。災害弱者対策を進める上で、阪神・淡路大震災下における災害弱者の状況を把握し、求められる対策領域を設定しておく必要がある。
図1 社会システムの変化と防災対策への要望
前ページ 目次へ 次ページ
|
|